動物管理事務所のボランティアとして
(平成11年5月「関西動物友の会」会報より)

 幼い頃から犬や猫を家族同様に思っていたので、 テレビの画面に保健所で収容されている犬の姿が映し出される度に、 興味はあるものの可哀相と思う気持ちの方が強くいつも手で顔を覆っていた私が、 動物管理事務所のボランティアをしているなんて自分でも信じられません。

 「何をしなければならないのか?・何ができるのか?」自問自答の繰り返しでした。
 そして、少しでも多くの人に真実を伝えること。 それが、私のすべき事なんだと思いました。

 しかし真実を伝える為には、自分の眼で見、心で感じなければなりません。それは私にとって本当に辛いことでした。
 帰りの電車の中で、自然と涙があふれ困った事もありました。 自分の心が深く傷ついて行くのがわかりました。でも彼らの悲しさ、寂しさ、 辛さに比べたら・・・・・。

 虐待されガリガリにやせ、傷ついて引き取られ、収容中の数日間が一番安らげる日々だったあの子。
 親子で収容され、一日前に旅立った乳飲み子を追って去って行ったあの子。送致の時、うれしそうに通路を進んで行き、最後まで人なつかったあの子。
 数え挙げたら、きりがない悲しいドラマばかりです。

 里親探しを手伝うなか、最初は殺処分されるよりは、少しぐらい問題があっても、もらってもらった方が幸せなんだと思っていましたが、しばらくすると、確かに一匹でも多くの命を救う事は大切だけれど、きちんとした飼い方を啓発しない限り犬や猫にとっては何も変わらないという事に気付きました。
 「注射で楽に死ぬんだと思ってた。苦しむならもう一度頑張ってみるわ。」そう言って犬を連れて帰ってくれたおじさんもいました。
 「保健所は安楽死でない。」という事実を伝え広める事で、収容数を減らし、殺処分数を減らしていければと思っています。
 一人でも多くの方が犬や猫を家族の一員として、終生共に過ごして頂けるよう願って止みません。


 

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